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悲劇のヒロイン

 

― 悲劇のヒロイン ―


 少し前の話題ですが、ソチオリンピック・パラリンピックが終わりほぼ同時期に冬季競技種目(スキー スケート ジャンプ等)も終了しました。
表彰台を期待されながら思うような成績をあげることのできなかった浅田真央・高梨沙良両選手ともにシーズン最終ではそれぞれ世界選手権優勝・ワールドカップ総合優勝と有終の美を飾りました。ともに金メダルを取ることが天命のようにマスコミから取り上げられ周囲の期待は日を追うごとに増していきました。結果プレッシャーに押し唾されるように転倒や失敗ジャンプによって期待される得点を挙げることができずオリンピック・ヒロインになることはできませんでした。
 アスリートにとって国民の応援や期待は力にもなります。しかし、過度の期待や応援はプレッシャーという負の産物を生み出し本来の力を発揮できない場合が多い反面負の産物をプラスと捉え期待以上の成績をあげるアスリートもいます。結論的にはプレッシャーを力に変える精神力と普段通りの実力を発揮する平常心を併せ持つアスリートのみが真のヒーロー(ヒロイン)として君臨できるはずです。
 浅田・高梨両選手は誰もが認める天才アスリートですが、四年に一度のオリンピックの勝者になるだけの運と実力は兼ね備えてはいなかったようです。特に浅田選手は最後のオリンピックとしてとらえ競技人生を賭けた演技となりましたが、観客のハートは鷲摑みにしたものの金色のメダルを掴み取ることはできずバンクーバーに続き悲劇のヒロインとして名を馳せました。
 
 悲劇のヒロインといえば今年最初の衝撃的なニュースを提供した“STAP”細胞の小保方晴子氏が毎日のように新聞やニュース番組のメインとなり前回以上の注目を浴びています。
 理系女子(通称リケジョ)の星として新年早々に万能細胞となりえる“STAP”細胞を引っさげたヒロインの登場をマスコミは大々的に報道し老若男女を問わず歓迎しました。その喧騒が落ち着く間もなくマスコミは細胞の存在と論文のデータの改ざん・捏造疑惑をめぐりあることないことをこぞって報道しました。
 論文の改ざんや捏造問題とは全く関係のない個人情報や個人の人間性を否定するような記事もあり、ある有名人が発した”日本国内に個人空間はない“という名言を立証しました。小保方氏が唯一頼りとしていた理研はあろうことか調査において捏造・改ざんを認め道義的な責任があるにもかかわらず個人の責任にすり替え組織ガバナンス面での疑念を発生させました。その後の小保方氏の会見については賛否両論あるものの、同情や擁護する立場が多く今後の動向が注目されるところです。
 

 新しい発見は本人の”思い込み“や”執念“に対して先人達の抵抗・確執後の産物であることが往々にしてあるようです。有名なコロンブスの新大陸発見やコペルニクスの地動説等罪人になっても私見を譲らず結果として大発見を元らしました。
 会見の際に小保方氏は記者にその存在を問われ間髪入れず”STAP”は存在する意思を伝えました。テレビ画面を通じた顔は迷える子羊のように気弱に見えましたたが、真正面を見据え何かを語ろうとする表情には芯と意志の強さを感じました。行く手を遮る”圧力“のため多くを語ることはできないまでも”STAP“細胞を送り出した”親“としての責任を果たそうとする姿勢は画面を通じて十分伝わりました。
 
このまま悲劇のヒロインとして国外に追われるのか、はたまた世紀の大発見(かもしれない)を消滅させてしまうのかは“おぼちゃん“の孤独な頑張りに委ねられますが、個人的には 『stap was stopped by “X”』 というつまらないジョークで終結させてはならないと感じています。




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