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Rの男

  

 

- Rの男 -

 

 19時〇〇分発 広島発××行 男はいつもの時間いつもの席に座りました。“R”のロゴ入りの白地の帽子を深々とかぶった60歳前後と思われる勤務先帰りの男性です。
 いつしか“Rの男”と命名し最近ではJR電車内の数少ない観察材料です。以前JR電車内は“トイレの男” “謎の美人姉妹” “席を移動する男”などの恰好の観察材料が沢山見受けられたのですが、いずれもいなくなり今では貴重な存在です。
 筆者が若い時分には学制帽をかぶった学生又は学校のロゴ入り野球帽等をかぶった人を数多く見かけましたが、最近ではあまりお目にかかることはありません。市内でも学生帽をかぶった生徒を見かけると振りかえってみることがしばしばです。(調べによると校名は県立H工業高校ではないかと思われます) 
 昔のことを蒸し返すことは無意味かもしれませんが、学生帽は校章で学校の識別が可能で学生はいわばひも付き状態で管理監督のもと行動をしていました。現在の学生を特定しようとするならば、学生服 ブレザーなどにより可能ですが、学生帽ほどのインパクトはなく所在の正確性もありません。高校生当時不良だった筆者は学生帽をかぶることを忌み嫌っては校則に抵触し登校停止などのきつい処分を有難く頂戴していました。 
(公然と学校を休めるため)

  


 当地では”H”のロゴといえば県立H商業高校を思い浮かべますが、最近では宿敵私立K陵高校の後塵を拝しライバル関係とは言えない状況になりつつあります。
 要因としては、①少子化による男子生徒数の激減②実業高校の在り様③指導者の多様化等考えられますが、H商業高校の県内における影響力は大きく是非とも古豪復活を願うところです。山口でも同様の傾向が顕著になってきており実業高校では商業高校の退潮が激しく校名の統廃合が一段と進み商工が一般的になりつつあります。その中で今年の岩国商業の甲子園春夏連続出場とピッチャー高橋君の日本代表での投球は見事でした。(18U世界野球選手権にて)
 白地の“R”のロゴの高校は地元では「RYUSYO」と呼ばれ、“Y”の「YANAI」に対し同一市内ながら音読み名で呼ばれています。“R” “Y” “S”「SIMOSYO」が県内では古豪校として名を馳せていますが、いずれも現状では強豪校とは呼べぬ立場に甘んじおりいずれのOB諸氏も古豪復活を“今年こそは!”と願っています。

  

 冒頭の“R”の男の正体は実際にはよくわかりませんが、おそらく「RYUSYO」のOBで高校野球好きもしくは野球部のOBではないかと思われます。ある日たまたま隣り合わせになった時、男はスコアブックを見て何事かぶつぶつ独り言を言っていました。昔のスコアブックだと思えるくらい劣化した表紙と黄ばんだ淵を見れば理解できました。
 昔の栄光を今一度と願う気持ちと古豪復活を期待することはどのOBも同様ですが、この男のように直線的で一途に行動することは稀で半ば尊敬に値します。あすもまた男は“R”の帽子を深々とかぶり筆者の前に堂々と登場することでしょう。(おそらく男に見られている意識はないはずです!)




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