人工透析・夜間透析 南海田病院



ボケとツッコミ

 

- ボケとツッコミ -

 


 伝説の漫才コンビ、やすし&きよしのビデオを借りて来て改めて見た。
彼らの漫才はいずれも秀逸で面白いが、特にきよしがやすしの眼鏡を取り上げたり、ずらしたり時にステージの片隅に掘り投げやすしが“めがね ねがね”といって探す格好が滑稽で実に面白い。
客席の反応も、全員が笑うのは当然なのだが、波打つように各々がのけ反って爆笑する様は寄席でもあまり見る光景ではない。スピード感がありボケとツッコミの完成品といってもいいほど素晴らしく何度見ても可笑しく飽きることがない。

 

破天荒で天才的なボケ役やすしと一途でクソ真面目なツッコミ役きよしという好対照なキャラから生まれた笑いはコンビ解消後20年以上経過するが今なお色褪せることはない。わずか5分間の中で笑いを取るには綿密なネタ合わせと普段からのコンビ間の信頼と阿吽のタイミングが必要だ。“めがね めがね”はやすしが何かのトラブル後の舞台できよしが日ごろの鬱憤を晴らそうとやすしのトレードマークである眼鏡を取り上げたところバカうけし、なおかつ天才やすしがアドリブで応えた傑作だ。
とある町にあった美容院の経営者とNo2のある日の会話をいまだに忘れることができない。

 


経営者「今日上京するので切符の手配頼むよ」 No2「わかったが、誰の仕事だ?」 

 

経営者「知人の高倉健だ」 No2「何?俺はきいてないぞ!お前が高倉健と知り合いだなんて」 

 

経営者「知り合いとは言ってない。高倉健はよく知っているので知人といっただけだ!」

 

なんでも高倉健のスタッフのカットを頼まれたそうだが、カット教室講師が上京の目的だった。
二人は兄弟なので普段はラフな会話をしていたが、ビジネスやフォーマルの場では通常の上下関係だった。
休日前に出向くと,

 

経営者「明日、付き合いゴルフがある」No2「フン!お前がゴルフとは珍しいな」

 

経営者「銀行の付き合いだ。変わってくれないか?」No2「変わってやってもいいが、代わりに月曜 銀行に行ってくれよ」

 

経営者「めんどうくさー ジャーいいよ」なんて漫才のような掛け合いが聞けるのでよく通ったものだ。

 

その後、兄弟其々が還暦を機に仕事をやめ好きなことをして自由に暮らしたと風の便りに聞いた。

 

水谷豊の相棒は約3年に一度変わるが、漫才コンビの相方交代は非常に難しいようだ。
やすしの死後、きよしは妻や後輩とのコンビでテレビなどに出ていたが、全盛期の輝きを取り戻すことはなかった。やはり、やすしという天才がいなければ、きよしのツッコミも活きなかったのだろう。
夫婦もボケとツッコミ的な一体感があれば、死ぬまで仲良く暮らしていけるなどと思案していると「ボーとしている場合じゃないよ!早く食べーね」愚妻のきつい罵声を浴びた。

 

余談になるが、美容室は経営者の長男が継承し規模を縮小してまで頑張ったが、最後は閉鎖に追い込まれたようだ。
店舗や看板が完全に消え去ったのちも、老いた兄弟の若き日の伝説や武勇伝は今も語り継がれているそうだ。




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